初心者でも迷わない!
メンズ革靴の種類・合わせ方・履き心地を徹底解説

はじめに

みなさん、革靴はどう選んでいますか?テキトーに選んでいるのであれば損をしている可能性があります。知っている人が見たときに「このシーンでそれ選ぶんだ…」と思われているかもしれません。そんな損を少しでもなくすために、元紳士靴ショップスタッフで革靴が大好きなシステムエンジニアが革靴の種類を初心者にもわかりやすく紹介します。

革靴は、紳士のファッションにおいて欠かせない存在です。ビジネスシーンやカジュアルシーンのどちらにも適したデザインがあり、種類も豊富です。初心者にとってはその多様性から選び方が難しいかもしれませんが、基本的な知識を身につけることで、自分に最適な一足を見つける手助けとなります。

ビジネスシーンにはもちろん、カジュアルなシーンにおいても、しっかりと履きこなせる知識を身につけてみましょう。革靴の魅力やデザイン、履き心地を理解し、あなたのスタイルにピッタリな革靴を見つける手助けになれば幸いです。

自分にあった革靴を見つけるにゃ

メンズ革靴の基本

革靴の歴史とその魅力

革靴はその長い歴史の中で常にファッションの象徴であり続けてきました。最も古い形の革靴は紀元前3500年頃に遡るとされ、多くの文化で伝統的な履物として愛されてきました。

特に18世紀にはヨーロッパで外羽根式の紳士靴が普及し、ビジネスシューズとしての地位を確立しました。革靴の魅力はその耐久性とエレガントなデザインにあります。年代や使用状況によって風合いが変わるため、長く愛用することで”味”が出るのも大きな特徴です。このように、大人のファッションアイテムとして欠かせない存在であり、ビジネスシーンやカジュアルなシーンにおいても幅広く活躍します。

革靴の基本構造

革靴の基本構造を理解することで、その選び方やメンテナンス方法がより明確になります。革靴は大きく分けると「アッパー」「ソール」「ヒール」「インソール」の4つの部分から成り立っています。

アッパーは足を覆う部分で、デザインや素材がバリエーション豊かです。例えば、つま先の部分の構造によってストレートチップやプレーントゥなどの種類があり、それぞれに特徴があります。

ソールは靴底で、耐久性や快適さに直結する部分です。

ヒールはかかと部分で、これもデザインや装飾が多様化しています。

インソールは足の裏に直接触れる部分で、快適さを左右する重要な要素です。また、靴ひもの通し方や羽根(内羽根式、外羽根式)の違いも革靴のデザインに大きな影響を与えます。

革靴の種類

ストレートチップ

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ストレートチップは、つま先に水平なラインが入ったデザインが特徴です。ビジネスシューズとして非常に人気があり、どんなシーンでも使いやすい汎用性から「一足目として購入するならまずはストレートチップ」と言っても過言ではありません。もっともフォーマルな形とされているので、冠婚葬祭や重要な会議など、しっかりした印象を与えたい場面で特におすすめです。

見た目の特徴としてシャープでつま先が長めなデザインが多く、細身のパンツと抜群に相性が良いです。

履き心地としては、内羽根式になっているのでタイトなフィット感があります。足の甲の部分に自由度が無い分、甲が高い足形の場合は窮屈に感じることがあります。

プレーントゥ

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つま先に切り返しや装飾がないシンプルなデザインの革靴を「プレーントゥ」と呼びます。ビジネスやカジュアルなシーンに幅広く活躍する革靴であり、実用性が高いです。万能なデザインなので、幅広いスタイルに合わせることができます。

丸みを帯び、重厚感のあるデザインが多いので太めのパンツやダブルのスーツとの相性が非常に良いです。細身のパンツと合わせても可愛さのある印象になります。最近だとドクターマーチンがほとんどプレーントゥですね。

履き心地としては、外羽根式で横幅のあるデザインが多いので甲が高く幅の広い足形でも履きやすい物が多いです。逆に足幅が細い方や甲が低いだと靴の中に空間が生まれて履きジワが付きやすくなることもあるので、そう言った場合は中敷(インソール)で調整したり、シャープな靴型を選ぶことをお勧めします。

ウィングチップ

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つま先部分の切り替えがW字型になっているデザインの革靴を「ウィングチップ」と呼びます。装飾が多く、カジュアルな雰囲気が強いため、フォーマルな場では避けるべきですが、ビジネスシーンでも活用できます。スタイリッシュで個性的な革靴を履きたい方におすすめです。

こちらもプレーントゥと同じような合わせ方で、外羽式でボリュームのあるデザインの靴型であれば太めのパンツやダブルのスーツと相性が良いです。また、シャープで内羽式のデザインであればフォーマルでも使える他、普段のビズネスシーンでも使いやすいです。シャープなデザインであればストレートチップと同じような合わせ方もできますし、プレーントゥのようなデザインであればカジュアルでも使いやすく、合わせ方に幅を持たせることができます。

履き心地はゆったりしたデザインが多い印象ですが、シャープなデザインもありますし、内羽根も外羽根もあるので自分に合った型を探しやすいデザインだと思います。

Uチップ・Vチップ

ShetlandFox ボートン

UチップやVチップは、つま先部分に弧を描くようなステッチが施されたデザインです。これらの靴は比較的カジュアルなシーンに向いており、デニムやチノパンなどと相性が良いです。少しラフなスタイルを楽しみたいときに選ぶと良いでしょう。

こちらも外羽か内羽か、シャープなのかボリューミーなのかで印象が変わります。シャープであればビジネスシーンでも全然使えるデザインですが、種類としてはそこまで多く無い印象です。

履き心地としては、羽根の形や靴型次第です。極端に大きめのデザインが多いとか細いデザインが多いなどは無いので、自分に合った型を探しやすいかと思います。

モンクストラップ

ShetlandFox グラスゴー

モンクストラップは、靴紐の代わりにストラップで締めるタイプの革靴です。バックルが一つの「シングルモンク」と二つの「ダブルモンク」があります。結婚式などのフォーマルなシーンにも適しており、またビジネスカジュアルなスタイルでも活躍します。

シャープで細身なデザインが多く、細身のパンツやスーツと相性が良いです。カジュアルでは合わせづらく、フォーマルな印象が強いです。ですが、最近ではカジュアル向きに作られるものもあります。

履き心地としては、甲部分が紐ではなくベルトになっているので調整の幅が少なく、甲が高い足形にはあまり向いていない印象です。大きい足形の方が無理に履こうとすると甲部分が盛り上がり、見た目が崩れることがああります。

ローファー

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ローファーは、紐やストラップがないスリッポンタイプの革靴です。ビジネスシーンからカジュアルシーンまで幅広く使える汎用性の高い靴です。特にパケッタローファーやタッセルローファーはおしゃれで、ファッションに合わせやすい一足です。

元々ローファーは「ナマケモノ」という意味で、ルームシューズとして使用されていた過去があります。今でこそビジネスシーンでもよく見るようになりましたが意外なルーツがある面白い靴です。

履き心地は「キツめ」です。甲部分の調整が不可能なので、甲がピッタリと合うようなサイズ感を探す必要があります。また、大きめのサイズを選んでしまうと甲部分を紐で閉められるわけでは無いので歩いた先にパカパカと踵が浮いてしまう可能性が高いです。

自分がローファーを選ぶときはやや痛いくらいのサイズ感を探します。(※慣れてない人は真似しないでください)履いていると革が馴染むので結果的にちょうどよくなります。

スリッポン

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スリッポンは、紐やストラップがないシンプルなデザインの靴で、簡単に履けるのが特徴です。カジュアルなシーンに最適で、足元をスタイリッシュに見せることができます。デザインによってはビジネスカジュアルにも対応可能です。

こちらもローファー同様、甲部分の調整が不可能なので、甲がピッタリと合うようなサイズ感を探す必要があります。

ブーツ

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革製のブーツは、足首をしっかりとサポートするだけでなく、季節を問わず使用できるのが魅力です。ビジネスカジュアルやオフの日のスタイルにぴったりです。

特に茶色やブラックのデザインは、多くのファッションに合わせやすいです。ブーツはしっかりとしたメンテナンスが必要ですが、その分長く愛用できるアイテムです。

シーン別の革靴選び

革靴選びはそのシーンに応じて適切な種類を選ぶことが大切です。以下ではビジネス、カジュアル、そしてフォーマルなシーンに対応した革靴の選び方についてご紹介します。

ビジネスシーン

ビジネスシーンにおいては、シンプルで洗練されたデザインの革靴が求められます。最もおすすめなのはストレートチップやプレーントゥです。

ストレートチップはつま先に一本のラインが入っており、フォーマルな場面に適しています。プレーントゥはつま先に切り返しや装飾がないシンプルなデザインで、ビジネスやカジュアルなシーンに幅広く活躍する万能な革靴です。内羽根式のデザインが儀式的な場に向いています。

カジュアルシーン

カジュアルなシーンでは、より自由度の高いデザインの革靴を楽しむことができます。例えば、ウィングチップはつま先部分の切り替えがW字型になっており、装飾が多くカジュアルな雰囲気が強いです。おしゃれで個性的なスタイルを楽しみたい方にはぴったりです。

また、ローファーやスリッポンもカジュアルシーンには人気があります。これらのデザインは靴紐がないため履きやすく、リラックスした雰囲気を出すことができます。

プレーントゥのシンプルなデザインを出しているブランド靴が人気な印象です。特にドクターマーチンやトリッカーズはアーティストや芸能人、モデルの方が時々履いているのを目にします。

フォーマルシーン

フォーマルなシーンには、よりしっかりとした印象を与える革靴が求められます。また色は黒やダークブラウンのような暗めな色が良いでしょう。

モンクストラップやストレートチップが特におすすめです。モンクストラップは紐を使わないデザインで、バックルが特徴的です。フォーマルな場でも個性を出しつつ、しっかりとした印象を与えることができます。プレーントゥもフォーマルシーンで使われることが多く、そのシンプルさが上品さを引き立てます。

また、一部のアップスケールなフォーマルイベントでは、オペラパンプスと呼ばれる特別な靴も選択肢に入ります。

革靴のメンテナンス方法

日常的なケア

革靴を長持ちさせるためには、日常的なケアが欠かせません。特にビジネスシューズやカジュアルシーンで活躍するプレーントゥなどは履きジワ部分に負荷がかかり革が裂けてしまう可能性が高いので定期的なお手入れが重要です。

まず、靴を履いた後は、柔らかい馬毛などのブラシで表面の汚れを落とし、柔らかい布でクリーナーを塗り広げ、拭いてください。クリーナーを使うことで古いお手入れクリームや汚れを落とすことができます。お化粧で言うところのクレンジングオイルのようなイメージです。

汚れが取れたら、革専用のクリームを薄く塗り広げて保湿します。このステップを5〜7回くらい履いたタイミングで行うことで、革が乾燥してひび割れるのを防ぎます。また、靴底も定期的にチェックし、剥がれやすい部分があれば修理に出すことをおすすめします。

長期保管のポイント

革靴を長期間保管する際にも注意が必要です。まず、使用後はしっかりと靴磨きを行い、汚れやクリームをきちんと落としてください。その後、シューツリーを入れて形を整えることが重要です。シューツリーはかかとの形を保ち、革のしわを伸ばす役割があります。また、直射日光や湿気の多い場所は避け、風通しの良い場所で保管するのがおすすめです。保管場所には、防湿剤や新聞紙を入れて湿気対策を行うと良いでしょう。

まとめ

ここまで、さまざまなメンズ革靴の種類やその特徴、選び方、メンテナンス方法について詳しく解説してきました。スニーカー文化が広がる中でも革靴はビジネスシーンからカジュアルなシーンまで、どんなシチュエーションでも必需品となるアイテムです。特にプレーントゥやストレートチップといった基本的なデザインは、幅広いシーンで活躍します。

また、ウィングチップなどの装飾が多いデザインは、カジュアルな場で個性的に見られるため、おしゃれを楽しみたい方にもおすすめです。モンクストラップやローファー、ブーツなど、たくさんの選択肢があるので、自分のスタイルやシーンに合わせて選ぶことが重要です。

革靴のメンテナンスも意識して行うことで、長く美しい状態を保ち、靴の寿命を延ばすことができます。靴磨きやシューケアアイテムを活用し、日常的なケアを心がけましょう。そして、革靴は年月や使い方によって、独自の“味”が出てきます。それが革靴の醍醐味でもあり、愛着を持って長く履くことができる要因です。

以上を参考にして、自分にぴったりの革靴を見つけ、コーディネートを完成させてください。ビジネスシューズからカジュアルシューズまで、様々なシーンに合う革靴を上手に選び、あなたのファッションに磨きをかけましょう。

ファッションを極めるにゃ