【実録】新卒ですぐ辞めたら人生終わり?
その後どうなるか体験談込みで考察
新卒での「早期退職」とは
新卒ですぐ辞めた場合、それは「早期退職」と呼ばれます。一般的には、入社後半年以内に会社を辞めることを指します。現在の新社会人の中では、この早期退職の傾向が多く見られるようになってきています。
実際に2019年では入社3年以内の離職率は3割というデータが厚生労働省から出ています。新卒採用者が短期間で退職することにはさまざまな理由がありますが、これはすでに社会現象として捉えられています。
なぜ早期退職が起こるのか
新入社員が入社してすぐに辞める理由は様々です。まず、期待と現実のギャップが大きいことが挙げられます。例えば、就職活動中は理想的な会社だと思っていても、いざ入社してみると仕事内容や職場環境が想定と異なることがあります。
また、仕事のプレッシャーやストレスも原因の一つです。期待が高すぎる研修や厳しい入社式の後、新人はプレッシャーを感じやすく、メンタルに負担がかかりやすいです。このような状況では「辞める」という選択肢が浮かぶことも理解できます。
さらに、人間関係の問題も新卒が早期退職を決断する要因となります。同期や上司とのコミュニケーションがうまくいかない場合、それがストレスとなり、会社を辞める動機となりえます。
これらも含めて個々のライフスタイルや価値観の変化もあるかと思います。自分の人生観やキャリアプランに対する考えが変わることがあり、その結果として退職を選ぶこともあります。
早期退職の影響
キャリアへの影響
新卒で入社した会社をすぐ辞めた場合、その後のキャリアにはいくつかの影響が出る可能性があります。まず、転職活動において必ずと言っていいほど「なぜすぐ辞めたのか」という理由の説明が求められます。新社会人としての第一歩を短期間で終えたことで、採用担当者や企業がその人に対して将来のリスクを感じることが考えられます。
そのため、次の面接の場では、新しい仕事に対するモチベーションや今まで学んだことをしっかりと伝える準備が重要です。
心理的な影響
早期退職すると、心理的な負担も少なくありません。新入社員としての期待や希望が裏切られた感覚に陥ることがあり、自信を喪失することもあります。また、同期と異なるキャリアパスを歩むことで、孤立感や不安感が強まることも考えられます。
このような状況では、自己評価が低下しがちですが、自分を見つめ直し、新たな目標を設定することで心理的な安定を保つことが大切です。休職期間を設けて心身をリフレッシュする選択肢もあります。
社会的な評価
新卒での早期退職は、社会的な評価にも影響を与えることがあります。特に日本では、安定した職業に長く就くことが評価されやすいため、短期間での退職はネガティブに見られがちです。
しかし、現代では「第二新卒」として再スタートを切ることが徐々に一般的になりつつあります。第二新卒の採用市場が活発化しているため、自分の強みやスキルをアピールすることで、再び良い評価を得て新たなキャリアを築くチャンスも広がっています。
再就職の方法とポイント
新卒で入社してすぐ辞めた場合、その後の再就職においては慎重な準備が必要です。ここでは、再就職を成功させるための具体的な方法とポイントについて解説します。
新卒で短期間で退職すること自体は珍しいことではありませんが、その後のキャリアを考える際には適切な対策が求められます。
転職活動の準備
新卒で短期間しか働かずに退職する理由を将来の雇用主に納得させるためには、しっかりとした転職活動の準備が必要です。転職活動を始める前に、退職理由や新たな就職先での目標について明確に考えをまとめておくことが重要です。
まず、前職を退職した理由をポジティブかつ具体的に説明できるよう準備しましょう。たとえば、「自分のキャリアビジョンに合わず、もっと成長できる環境を探すため」など、自分の成長意欲や前向きな姿勢をアピールする形で説明します。
また、求人サイトや転職エージェントを利用して、前もって希望する業界や職種について情報収集を行い、必要なスキルや資格を調べておくことも大切です。
第二新卒としての強み
再就職を目指す際に、新卒で入社してすぐに退職した経験は、第二新卒としての強みを活かすチャンスでもあります。第二新卒とは、社会人経験の浅い若手労働者を指し、特に新卒入社後に短期間で退職した人を指すことが多いです。このカテゴリーの強みを最大限活かしましょう。
第二新卒としてのメリットの一つは、柔軟性と学習意欲が高いことです。たとえば、新しい環境にも素早く適応できることや、新しいスキルや知識を積極的に学ぶ姿勢をアピールできます。また、短期間での退職経験は自己反省と自己成長の機会と捉え、その経験を活かしてどのように前向きに取り組むかを具体的に伝えることが大事です。
多くの企業は第二新卒を積極的に採用する傾向にあります。特に、中途採用よりもリスクが少ないため、「しっかりと育成すれば将来的に貴重な戦力になる」という期待を持っています。このように第二新卒の強みを活かして、自分に合った新たな職場を選びましょう。
休養することもときには必要
新卒で入社してすぐ辞めた後、次の仕事を探す前に一度休養を取ることも重要です。仕事を辞める理由が会社とのミスマッチや精神的な疲れからくるものであれば、休養することは再起に向けて必要なステップです。
休職する選択肢
新社会人として入社してすぐ辞める場合、まず考えられる選択肢の一つに「休職」があります。休職は正式な退職とは異なり、一時的に仕事を離れることを意味します。会社によっては研修期間中に休職制度を利用できることもあります。これにより、一定期間を経てから再び仕事に復帰することができます。
休職中は、心身の健康を取り戻すための時間を持つことができ、次のステップへと進むための準備期間となります。ただし、保険や福利厚生の手続きを早めに行う必要があります。また、休職中は給与や手当が発生しない企業も中にはありますので、あらかじめ確認しておいておかないと金銭面で困ってしまうので要注意です。
退職後にすぐ就職しない
新卒ですぐに辞めた後、再度の就職活動に焦ることなく、休養を挟む選択肢もあります。退職した直後は精神的にも物理的にも疲れていることが多いため、無理に次の求人を探すよりも一度リセットすることをお勧めします。
この期間中に、自分を見つめ直し、自分が本当にやりたい仕事や業界を考えることが重要です。多くの企業は中途採用や第二新卒としての採用も行っており、これが新たなチャンスとなるかもしれません。新しい仕事に臨む際には、前職を辞めた理由を明確にしておくことが必要です。
休養でリフレッシュし、次に挑む際にはより積極的でポジティブな姿勢で面接に臨むことができます。これは、新入社員時の同期とも大きく異なる経験として貴重なものとなり、次のステップにおいて大きな強みになる場合もあります。
新卒での退職を考えるときに重要なこと
ゆっくりと自分を見つめ直してみる
新卒で入社したものの、すぐに辞めることを考えている方は、まずは一度ゆっくりと自分自身を見つめ直すことが大切です。新入社員として社会人生活が始まったばかりの時期は、慣れない環境や新しい仕事に対するストレスが多く、感情的になりがちです。
しかし、長期的なキャリア形成のためには、自分が本当に何を求めているのか、なぜ辞めることを考えているのか、その理由を明確にすることが重要です。また、同じ理由で転職を考えている同期や先輩の意見を参考にするのも有効です。
退職後に自分が何をするか想像する
新卒で入社してすぐに辞めることを決めた場合、その後の人生設計を具体的に考えてみることが重要です。退職後にどのような仕事をしたいのか、次に採用されるためにどのようなスキルや経験が必要なのかを考え、求人情報をリサーチすることが求められます。
また、次の転職面接では、入社した会社を辞める理由をしっかりと説明できるように準備しましょう。例えば「自分のやりたい仕事と現職のミスマッチに気づいたため」「さらなるキャリアアップを目指して」といった具体的な説明があると良いです。
【実録】自分の体験談
ここで自分の体験談をざっくり紹介します。少しでも悩んでいる新卒の方の参考になればと思います。
高卒で初就職して入社3ヶ月で退職
工業高校を卒業し、自動車の部品を製造する会社に就職することができましたが入社3ヶ月で退職しました。その理由が「会社側が面接時と言っていることが違う」です。私は工業高校時代、機械の設計図を制作する「製図」が得意で好きでした。なので当然、就活の際は製図のスキルアップが見込める会社を探しました。
その結果、就職先となる会社を見つけました。初めて会社の方とお話しした時は「製図を学べます。」と聞いていたのでウキウキしていましたが、いざ入社するとまずは先輩社員より30分早く出社し、半分外のような工場のトイレから工場まで隅々を掃除して、業務時間になると溶接したり鉄を切ったり削ったりと製図とはかけ離れている業務内容でした。
新人だから仕方ないという気持ちで雑用を淡々とこなしていましたが、それに耐えられたのは3ヶ月でした。人事の方に話が違うので退職しますと伝えると社長がやってきて「こんな早く辞めるなら他でもうまくいかない」と言われましたが、自分の中で退職は確定していたので聞き流して退職しました。
バイトをしながら自分探し
とりあえずバイトをしようということで某ファミレスのバイトを始めました。元々高校時代に飲食店のバイトをしていたので業務内容自体は余裕だったのと、中学時代の友達がいたので楽しくバイトしていました。
バイト以外の時間はやってみたいと思っていた「漫画家」を目指して漫画を描いてましたが現実は甘くありません。それに生活リズムも夜勤ということで崩れがちになり、絵を描くにも集中して思うように活動できていませんでした。この時は普通のフリーターといった感じでした。
革靴屋へ転職
漫画の方も上手くいかず、このままバイトだけで終わるのはマズイと感じたのと1番仲のいい友達が転職するということで同じショッピングモールに入っている革靴販売店へ転職しました。雇用形態は契約社員したが、かなり忙しい店舗ということと初体験の業界だったので出社初日からかなり疲れた記憶があります。
この職場で3年ほど契約社員のまま働きましたが、ショッピングモールが閉鎖するということで店舗も合わせて閉店になることが決まり、そのタイミングで退職しました。この3年間が人生の中で1番経験を積めた気がします。というのもまずアパレルということで「身だしなみ」と「礼儀」と学べました。この体験が今の自分の基礎になっている気がします。
漫画家のアシスタントへ
革靴屋を退職した後、若いうちに漫画家にまたチャレンジしてみようと思い漫画家の現場を体験すべくアシスタントになりました。有名雑誌で連載している方のアシスタントになるには技術やノウハウ、経験の全てが不足していたのでかなり苦労しました。片道2時間のアシスタント先へ週3ほどで通いながら漫画を描く生活を半年ほど続けました。
IT会社へ転職、今に至る
漫画家のアシスタントでは上手くいかず、そろそろちゃんとした定職に就こうと思いハローワークへ通いました。業種はなんでも良かったのですが、たまたまIT会社の事務を募集していたので応募し、面接しました。面接時に事務職ではなくエンジニアを募集していたことが判明し、これまた「話が違う!」と思いましたが、エンジニアも楽しそうかなと思い、お互い意見が合致した結果、入社することができました。
そして今は6年目になります。パソコンの事とか何も分からなかった自分がここまで何かに貢献できるようになれたのは良かったなと振り返って思います。
結果的に、高卒で早期退職した若者でもいろんな業種を体験して定職に就き安定した生活を送ることができています。なので、新卒が早期退職したからといって人生が終わるわけではありません。その人次第でいろんな人生の選択肢があるはずです。
人生がどうなるかなんてオマエ次第にゃ!